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主な担当科目 :社会福祉の原理と政策Ⅰ?Ⅱ、権利擁護を支える法制度、ボランティアなど
研究キーワード:地域福祉活動 権利擁護 家族介護支援
趣 味 :楽器演奏、音楽鑑賞
日本には認知症の人が700万人以上いるとみられており、今や認知症は多くの国民に関わることであるといえるでしょう。日本では2023年に認知症基本法が成立し、今後、認知症の法制度や支援活動の進展が期待されます。私は、認知症の人と家族が人権と尊厳を護られ自分らしく暮らせるまちづくりのために、一部の地方自治体が進めている「認知症にやさしいまちづくり条例」が認知症の人や家族及び地域住民にどのような影響を与えているのかについて研究しています。また、こうした認知症の施策の進展のもとで認知症の人や家族介護者がどんな現状を抱え、課題に直面しているのかを研究しています。
人間福祉学コースの1年次の専門科目である「社会福祉の原理と政策Ⅰ?Ⅱ」は、ソーシャルワークの入門科目として社会福祉の理念や歴史などのソーシャルワークの基礎的な内容を学びます。特に後半には、社会福祉に関する重要なテーマを小グループで検討し、その結果のグループプレゼンテーションを行い、より主体的に学ぶプログラムを設けています。また、共通教育科目の「ボランティア」は、ボランティアの基礎知識を学んだ後、実際にボランティア活動を行い、活動後にその成果について省察する実践的な授業を行っています。
社会福祉の専門職は、対象者の人が日常の暮らしの中でのどんな課題に直面しているのか常に探求することが必要です。そのためには、生活課題に直面する当事者の人たちの声や思いを知ることが大変重要です。映画「ぼけますから、よろしくお願いします」は、認知症の妻を介護する夫の老々介護を撮ったドキュメンタリーです。家族による介護は、家族介護者への日常生活への影響が大きく、家族介護者の苦労する部分を制度や専門職が支えることが大事です。しかし、この映画を見て、認知症の人とその家族がお互いを思いやる関係性を再確認及び再構築する関わりとして、家族介護が重要であることに気づかされます。