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明けましておめでとうございます。新年の仕事始めにあたり,ご挨拶を申し上げます。
本日,2016年1月4日(月)は,例年より暖かな気温のもとに,広島?庄原?三原の3キャンパスとも,穏やかな仕事始めを迎えることができました。新しい年が皆様にとって,充実した幸せな年になりますよう祈念しております。本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年の年頭の挨拶におきまして,私は干支についてお話ししました。昨年は羊の年,羊という文字の語源は「味」に通じるということから,熟成して匂いや味がそなわる年という意味が込められているとお話ししました。まさに昨年は,再編統合して開学した県立広島大学が,10周年を迎えた年でもありました。その意味では,10年間の熟成の結果がどのような匂いや味を地域社会に醸し出しているのか,一つの区切りとして自ら問いただす1年でもありました。そして,新たに迎えた本年の干支は「さる」です。漢字では「申す」の「申」に相当します。「申」に「にんべん」をつけると「伸」になることから推察できるように,「申」の持つ意味は「草木が十分に伸びきる」ということであり,古代から「成長」を示しているとされています。
本学に即して,干支の流れで昨年から本年への移行を解釈しますと,県立広島大学は10年間の熟成を経て,さらに新たに伸びるための成長の年を迎えたと言え,まさに今,本学の求められている状況に見事に符号していると言えます。
そこで改めて,年頭にあたり,私たちの大学が伸びる,すなわち,さらに成長するために本年はどうあるべきかについて考えてみたいと思います。この問いかけに答える上で示唆に富む格言があります。「何ごとかをなし遂げるのは,強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない。」という経営学者ドラッカー氏の言葉です。強みをさらに活かすことによってさらなる成長が得られるということですが,それでは一体私たちの大学の強みとは何でしょうか。
2つ挙げることができます。1つは,大学の運営に公立大学としての立場を意識し,絶えず地域の発展に拘ってきた経験,すなわち地域と向かい合う姿勢です。そして,もう1つは,大学の重要なミッションである人材育成を大切にする姿勢です。
これら本学の誇るべ